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あらゆる人間関係に役立つ提案
→ いい聞き手になること。
~ リチャード・カールソン(アメリカの作家
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人間は、「話したがり」の動物です。
一方で、「聴く」ことは苦手です。じれったい時もあります。
「結局、何が言いたいの?」と思う時もあります。
時に忍耐が必要です。
待ちきれず「結論から話して。」という人もいますね。
以前の職場である産業医の先生が、臨床心理士の方に、
「カウンセラーは、聞くだけの仕事だからいいですね。」
と、とんでもないことを言いました。
その産業医の先生は、「仕事のセンス」がズレていて替わりました。
ご存知の方も多いと思いますが、「聞く」と「聴く」は意味が違います。
「聞く」は、漠然と聞く。
「聴く」は、興味をもって聞くことです。
カウンセリングでは、「傾聴」が重んじられます。
一字一句とまで言いませんが、丁寧に聴くことで進めていきます。
カウンセリングのトレーニングには、「逐語録(ちくごろく)」があります。
カウンセラーとクライアントの会話を録音し、一言一句もらさずに文字に起こします。
私は、1回しか行ったことがありませんが、とても神経を使います。
注意深く文字に起こしたにもかかわらず、もらしている部分があります。
そのぐらい「聴く」ということは大変なことです。
またこれも経験談ですが、管理職の方で「俺はカウンセラーに向いてる」という人と何人かお会いました。しかし、そういう人ほど、私の見立てでは「カウンセラーに向いていないな」と思いました。
なぜか?
「自身の武勇伝、気合いが必要だ。がんばれ。」
と励ますのが目に見えていたからです。
これでは、相手の話を聴いていません。
相手は、「この人に話してもムダだな。」と日頃から思っています。
ふだんの仕事の様子から感じ取っているということですね。
では、「聴き上手」になるにはどうしたらよいでしょうか?
意外と思われる方もいるかもしれませんが、「相づち」を適切にしていくことです。
これだけで「聴き上手」になれるくらいです。
「うんうん」
とうなずく時も少しオーバーに表現したほうが、聴いてもらえている(共感してくれている)と相手に伝わります。
聴いてもらえていると相手がわかれば、こちらがあまり話さなくても、相づちに乗ってどんどん話してくれます。
人は話したくて、聴いてもらいたくてしょうがないのですから。
「それで」
「それから」
「で、どうしたの?」
など、相づちのレパートリーも必要です。
私が役に立つと思ったワードは、
「なるほど」
です。これは結構使えます。
最近、「なるほどですね。」と言う人がいますが、これはNGです。
言葉の使い方として誤っています。時代とともに変わるのかもしれませんが。
(正しい日本語を使いましょう。そのほうがきれいです。)
ある有名な占い師の方も仰っていました。
「占いのほとんどはグチ聞きだからね。」
とこっそり教えてくれました。
話す人はアドバイスが欲しい場合ももちろんありますが、たいていの場合は、ただ聴いて欲しいのです。ジャッジやアドバイスをあなたに求めていません。ただ興味をもって聴いて欲しいのです。心により添って欲しいのです。わかってほしいんです。
世の中、なかなか真剣に話を聴いてくれる人はいないと思います。
たいていの人は、聞いているふりをしていますが、聞き流しています。
ごく普通のことで、毎日の会話を全て真剣に聴いていたらエネルギーがもちません。
だからこそ「話を真剣に聴いてくれる人」に希少価値があります。
適切に相づちを入れて、丁寧に聴くことで、相手に喜ばれたらうれしいですよね?
もしアドバイスなど言いたいことがあっても、まずは相手を受け入れてからです。
しっかり信頼関係を構築してからです。
そうでないと相手はアドバイスを聞いてくれません。
相手は聞き流してしまいます。
話を真剣に聴いてくれる人は好かれます。
話していて心地良いからです。
自由に気構えせず話せるからです。
日頃から、そんな雰囲気を作っておくことも大事だと思います。
「いつでも相談に乗りますよ。いつでも話を聴きますよ。」
という雰囲気です。
相手は話を聴いてもらえる人を見定めています。
この人なら聞いてくれるな、と。
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