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ピンチのときこそ、仕事の本質が見える
~ 魚谷雅彦(資生堂社長) ~
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私は、ここ数年、周囲の人に助けられながら、マンションの管理組合の理事長を務めています。
高齢化が進む中、ボランティアと思って引き受けています。
昨年こんなことがありました。
マンションの住人の方から、
「天井から水漏れしている」
との電話がありました。22時ぐらいのことです。
上の方に電話をしてもつながらなく、部屋の電気は点いていましたが、呼び鈴を鳴らしても応答が無かったそうです。
その時、私は不在でした。
住人の方が不安そうだったので、私は近くの知り合いの人に状況を見に行ってもらえるようお願いしました。
そして上の住人の方が60才ぐらいの一人住まいの方だったので、万が一のこともよぎりました。
折しもその直近に孤独死もありました。
そして私は警察に電話をしました。
「上の住人の方が心配なので、様子を見に行って欲しい」と。
そうしたところ交番のおまわりさんがすぐ来てくれました。
結果、上の住人の方は、おまわりさんからの呼び鈴にびっくりして出てきました。
夜遅いこともあり、電話も呼び鈴も無視していました。(あるケースですが。)
事なきを得ました。
上の住人の方は、漏水が見えないところで起こっていて全く気づいていませんでした。
私は、おまわりさんまで呼んでしまい、迷惑だったかな、お節介だったかなと思いました。
少し後悔しました。
しかし、後日、上下の住人の方がそろって、私のところにお菓子を持ってきてくれました。
ご迷惑をおかけしました。と。
上の方には、私が万が一のことを心配して、ということもわかって頂きました。
その時に対応して良かったなと思いました。
話が長くなりましたが、私のケースは大したことではありませんが、ピンチの時こそ、臨機応変の対応が必要です。
何回もあることではないからこそ、臨機応変さが大切です。
ピンチを鮮やかに処理できる人は尊敬されます。
そうですよね。冷静沈着に対処できる人がいたら、「カッコいい!!」と思われますよね。
これは大事なスキルです。
ケースは違えど、場数を踏むことも大事だと思います。
全力で向き合うことにも意味があります。
人に任せてピンチから逃げてしまう人もいますね。
場数を踏むことも大事ですが、職場で何かトラブルが起こった時に、自分に権限が無くても、シミュレーションしておくことも役立つと思います。当事者に自分を置き換え、真剣に考えて自分なりの対処をイメージしてみることもトレーニングになります。もっと言うと上司の立ち回り方を見て、答え合わせすることもできます。
「まさか!」は、いつやってくるかわかりません。
こうして備えておくことで、いざという時に発揮することができます。
日頃から、大げさかもしれませんが、覚悟を決めておくことも大事だと思います。
今、職場のメンタルヘルスでは、上司がまず部下の話に耳を傾けることが重要だと言われています。
耳を貸すのではなく、部下から何か相談があったら、いったん手を止めて、体ごと向き合う、もしくは別室で話を聴くことが大切と言われています。
今は、上司も自身のタスクが山ほどあって忙しいです。キーボードを叩きながら、部下の話を聞く上司も多いそうです。
部下にとっては、「緊急事態」かもしれません。
その時に上司が真摯に向き合ってくれたら、安心しますね。そして信頼ができます。
信頼を勝ち取ることができます。
逆におざなりにしてしまうと、部下は、「この人には相談できないな。」と思ってしまい、シビアな状況になるまで抱え込んでしまうケースもあります。
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