正論を吐く
過去の生真面目な私は、正論ばかり吐いていました。
そして相手をやり込めることばかり考えていました。(← 悪いですね。)
でも、ある時からやめました。
「世の中にはどうしようもないこともある。」
「相手も正論は十分、百も承知。」
「気持ちを聞いて欲しいんだな。」
そう思えた時にやめることができました。
百も承知です。
でも言いたいんですよね。気持ちを吐き出したいんですよね。
上司が正論ばかり言っていると、部下は自由なことが言えなくなります。
「また同じこと言われるな。」
とわかっているからです。
部下は回避します。
正論でやられると相手は抗弁できなくなります。
だって真っ当なのですから。
正論ばかりで追いつめられるとその場にいられなくなります。
「そうやりたくてもできないこと」ってあります。
何かしらの事情があって。
それは本人でないとわかりません。
本人の思い込みかもしれませんが、それがクリアされないとできません。
どこがダメかを指摘し、批判して、相手が聞きたくない言葉を投げつければ、間違いなくその関係は悪くなります。
人が離れていったら、運はつきませんよね?
人間関係の勝ち負けは、理論の勝ち負けではありません。
たまには、自分のエゴを捨てて上手に負けるということも大切です。
あなたが負けることで、「二人とも勝つ」ことができるのです。
自分のエゴを捨てて、相手を立てられる人に運はついてきます。
こぼれ話です。こんなことがありました。
ある女性が、私に化粧品のセールスをしてきました。
かなり強引なセールスで、かつ説明に全く説得力がありませんでした。
やがて彼女はこのセールスでビジネスを立ち上げていくと言います。
私は、「怒り」の感情をもちました。
数日後、私は、彼女に「ダメ出し」をたくさんしました。
「説得力が全くない」
「ただすごくいいんですと言われても、その良さがわからない。」
「この説明では、人は買いたいと思わないですよ。」
散々に言いました。
彼女は、その時、当然のことながら「ムッ」としていました。当然です。
しかし、その数日後、彼女から連絡がありました。
「私が言ったことは全くその通り。これからもっと上手になれるよう勉強していきます。」
と。
思いも寄らない展開でしたが、彼女の謙虚、真摯な態度に好感をもちました。
自分も謙虚、真摯な態度をあらためて忘れてはいけないと思いました。
0コメント