私は、これまで保健師、産業カウンセラーとして、社員の健康支援に携わってきました。
延べ件数にすると5000件以上です。
その他、全店の看護職の研修や人材育成として看護職個人のサポートにも携わってきました。
(あらためて文字にしてみると、それなりに仕事をしていたことに気づく(^^;)
もちろん全てがうまくいったワケではありません。
停滞した時期もあり、職場のメンバー等に多々ご迷惑をかけた時期もありました。
今は、そんな会社生活にとても感謝しています。
私が仕事に対して自然に思っていたことは、「その業務に自分なりの意義を見出す」ことでした。
仕事は「やらされ感」、受け身になってしまうと、途端につまらないことになってしまいます。
どんな仕事にも意義を見出すことは、必ずやっていたような気がします。
事務作業もかなり多い仕事でしたが、けっして退屈はしませんでした。
むしろ事務作業は得意です。事務作業は「早く正確に」が重要です。
事務作業にとりかかる前には、「いかにミスなく効率的にできるか」を考え段取りを考えます。
そうすると主体的に取り組むことができ、ある意味、「自分との闘い」になります。
そして終わった後にそのやり方がどうだったかを検証します。
いつでも「ショートカット」、「最適解」を考えていました。
私の事務作業は、ほぼ完璧だったと今でも思っています。
また社員との面談では、就職した当初に「保健師の仕事とは何ぞや?」と考えた時期があります。
これは保健師ならず全ての専門職にいえることですが、専門的な知識を相手に伝えることは「当たり前」のことであり、それを相手の人に対して、どうカスタマイズするかが私は専門職としての役割だと思っています。
就職してすぐにあったエピソードですが、ある部長さんで、中性脂肪が高い方がいらっしゃいました。
部署にもよりますが、部長さんともなるとほぼ毎日、夜は「飲む、食べる」が多くなります。
そういう人にありきたりの食事指導や運動指導をしても、「本人がやりたくてもできないこと」が多くなります。
その時に私は、
「(値が)高いのは仕方ないですよね。」と言いました。
そう言うと部長さんに私はえらく褒められました。
「こんなことを言うのは、あなたが初めてだよ。今までの人は注意ばかりだったから。」
その部長さんはそれまでの記録を見ると彼独特の健康に対する主義があり、少し変わった方でした。
いわゆる専門職からすると「偏屈」な人で、そんな人から自分が褒められたのはうれしかったです。
「よっしゃ!!」という気持ちでした。
攻略できた手ごたえを感じたのでした。
対人サービスは、まず信頼関係が大切です。
保健師であれば、その人の健康に対するポリシーを一旦受け入れることが大切だと思っています。
会社員の人にとって「わかっているけれど出来ない環境」があります。
その気持ちをまず汲んだうえで、
「それではどうしていきましょうか」
と、一緒に考えていくことが専門職です。
「特定保健指導」では、「行動変容」という言葉に重きをおかれましたが正にそれです。
「本人が制限された環境の中で健康のために何ができるのか?」
ちょっとがんばればできること、具体的な行動に落とし込めることが支援です。
特定保健指導では、ご本人の努力が最たるところですが、体重を半年で5㎏以上減らした社員を何人も見てきました。そしてリバウンドしないよう次の健診でも習慣を続けている人も何人も見てきました。
そういう人たちを見ているとこちらもうれしいです。手ごたえを感じます。
面接では、「どうしたらこの人が今より少しでも健康になれるのか?」と当事者意識をもって考えていました。そうすると「これぐらいはできるかな」と考え、話しながら提案していきました。
「それならできる!」
と相手が思ってもらえればうまくいきます。
総括すると、私は「叱らない保健指導」を心がけてやってきました。
職場メンバーには、「正論」を面接で伝え、社員と絶縁状態になってしまう人もいました。
私とはうまくいっていた人が、彼女になると絶縁しました。
誰でも「怒られる」、「叱られる」は、ややもすると人格否定になってしまいイヤな気分になります。
そうなるとお互い気まずくなり不幸です。
まずは良好な人間関係、信頼を築き、そこから支援を始めていくことがセオリーだと思います。
繰り返しになりますが、今の世の中、健康情報が溢れていて、「何をしたら良いか」は相手も重々わかっているのです。それをどうしたら日常生活の中で実現できるのかを支援することが専門職の役割だと思っています。
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